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早いものでゴールデンウィークが終わり、オッサンこと妹の夫が急死して半月以上たった。

前回のつづきだが、オッサンの脈が弱くなっているという知らせを受けた時、生前のオッサンの意向通り、最少限の家族が病院に集まった。
妹がナースステーションに沢山いる看護師の一人に声をかけた。
家族全員集まったところで臨終とすると事前に医師から説明を受けており、真っ先に病院に着いた妹にも
「ご家族全員集まったら声をかけて下さい」
と看護師に言われていたからだ。

声をかけた看護師は「少々お待ちください」と言ったきり、スーっとどこかに消え、待てど暮らせど戻って来ない。
ナースステーションには差額ベッドの件で揉めた例の主任看護師もおり、チラっと目があったが、しかし無視される。
仕方なく別の看護師に声をかけようとするも、「私、忙しんだからね」と言わんばかり。
声をかけるなオーラを出す。

前回書いたが、私、病院の裏事情を少しは知っている。
忙しいわけではない。
忙しいフリをしているのだ。
ましてや我が家の患者は亡くなっており、死体になんて関わり合いたくないとみた。

「すみません」という大声に捕まったのは若い看護師だった。
医師を呼びに行き、オッサンのベッドの周りをぐるりと引いていたカーテンが開けられ
「以前話した通り、全員揃われましたので、この時間を御臨終とさせて頂きます。4月14日、12時14分ご臨終」



それからオッサンの体はベッドごと病院の地下にある霊安室に運ばれ、ここで霊安室担当と思しき年配の男性に引き継がれた。
「○○さんは道路での事故ですので、この後1時間か2時間か、ちょっと時間まではわかりませんが、警察の方が来て事情聴取となります。こんな時になんですが、警察の方が来るまでの間に葬儀屋さんに連絡して下さい。警察の方が来るとそういう時間はないですので。」

「この病院で亡くなる可能性もでてきた」と医師に言われた時、妹はネットで葬儀屋も調べ、目星はつけていた。
「葬式に金なんてかけなくていい」
生前にオッサンが言っていたので、直葬で安価な所である。
目星はついていたとはいえ、警察の人が来るまでの間、葬儀屋さんとのやり取りが続く。

2時間後、警察官二人が来た。
二人共我々よりずっと若く、30代とみた。
一人の警察官には事故のあった翌日だか翌々日だかに妹は会っていたらしく、警察官もおおよその事情は知っている。
「事件性がないか、私達も目撃者を捜してはいるのですが・・・。そういう情報はなく・・・。お預かりしている自転車は特に車とぶつかった痕跡もなく、恐らく運転中に体調が悪くなったと思われるのですが・・・。」
と前置きをしながら、これから始まる事情聴取の趣旨を書いたシオリを渡される。

これまでのオッサンの病気のことを主に、遡って色々聞かれる。
「直接の死因は・・・、先生は何って仰っていましたか?」
「運ばれた時に心肺停止でしたので・・・、先生もよくわからないような・・・恐らく心臓だろうとは言っていましたが・・・」
妹が答えると
「そうですか・・・。先程先生にお会いした時は、不整脈と言っておられましたが・・・」
と警察官。
不整脈なんて、初耳だ。

そして話は保険や貯蓄といった金関係のことに移る。
「保険には入っておられたんですよね。」
「それが、この年で恥ずかしいのですが、保険に入っていなかったんです。そんなものにお金をかけるのは馬鹿らしいという人でしたから。」
妹が答えると、
「貯蓄などは?」
「それも、お金を貯めるという観念がないというか、遊ぶことが好きな人だったので。限りなくゼロに近い額しかないんです。いい年して恥ずかしいんですけど。」
「はぁー、そうなんですか。でしたら死亡保障とか・・・、何もないんですね。まあ・・・、好きな事を好きなようにされてきた方なんですね。」
若い警察官は言葉を選んでいたが、なるほどと私は思った。
もし多額の保険金が入る保険にでも入っていたのなら、保険金殺人を疑われる恐れもなきにしもあらず。

事情聴取は2時間位かかり、その間も葬儀屋さんから何度も電話が入り、慌ただしい。
「この後はどうなるんですか?一旦警察に行き、死亡診断書はその後書くと先生が仰っていましたが・・・」
母が聞くと
「え先生、そう言いましたかご遺体はこの後横浜の方にいき、念の為検死をします。検死の先生の空き時間にもよりますが、今日はもうこの時間ですから、検死は明日になると思います。検死が終わったらご家族にお戻しというかたちになりますので、この病院に戻ってくることはないです。」
「えそうなんですか・・・。検死って・・・解剖するんですか?」
母が驚くと
「検死の先生の判断にもよりますが、解剖する場合もあります。」
「横浜まで運ぶのは警察の方がして下さるんですか?」
「いえいえ、そちらで手配をお願いします。葬儀屋さんがやってくれるはずですので。」

これまで祖父母や叔母や叔父の葬儀に出席したことはあるがいずれも病気の為に入院し病院で亡くなった。
オッサンの死因も病気と思われるのだが、事が起ったのが自転車運転中だった為事故扱いになり、警察の事情聴取と検死という厄介な事が介入することになったのだ。

葬儀屋さんに電話を入れる。
遺体を搬送する車が到着する時間が告げられ、と同時にこう言われる。
「驚かれるといけませんので先にお伝え致しますが、○○様の場合検死ですので、検死料が必要でして、車が到着するまでの間に10万円ご用意下さい。」
「え10万ですか・・・」
既に驚く我々。
しかもその場で領収書は出せないから預かり書を渡すと、なんだか意味不明なのだった。
「葬儀屋さんによると検死の料金が10万円らしいのですが、実際のところ検死っておいくらくらいかかるんですか?」
警察の人に聞くと
「うーん、数千円くらいじゃないでしょうかね・・・」
数千円と10万円とでは、えらい違いではないか。
ネットで探した葬儀屋だから、我々は詐欺じゃないかと不安になる。
が、後でよくよく考えてみたら病院でちょっと検査をしただけで軽く1万円位かかるのだから検死で数千円ってことはないわけで、警察官もいい加減なものだ。

1時間後、葬儀屋さんが到着。
きちっとした身なりをした男性だった。
「電話で10万円と聞いたのですが、これは何にかかる費用、というかなぜ10万円なんですか?」
開口一番に聞くと
「皆様驚かれます。ご説明致します。神奈川県の場合、検死は関内か金沢八景のどちらかになります。関内の先生の場合○万(忘れてしまったが2万弱)、金沢八景の先生の場合は○万(確か4万位)と、検死は先生によって料金が違うのです。これが解剖となるともう少し高くなりまして、金沢八景の先生ですと8万8千円なんですね。その為先に10万円お預かりし、残った分を返金させて頂いております。仮に金沢八景の先生で解剖になっても1万2千円は後日返金となります。ちなみにこれが東京23区だったらただなんですよ。」
「ただただって、ゼロ円なんですか?」
母が驚くと
「そうなんですよ。市町村の財政事情なのでしょうかね。神奈川は検死の先生が少ないので。」
「ここ、神奈川っていっても、すぐ隣は東京23区なのにね・・・」
母がため息をつきながらクルッと警察官の方を向き
「関内と金沢八景、どっちになるんですか?」
「それは・・・、今の時点ではわかりません。検死の先生の空き具合によりますので・・・」

午前中に危篤の知らせを受け、オッサンの体が葬儀屋さんの車に乗せられるまで、丸一日かかった。
病院からの帰り道
「関内だったらいいけど、なんか金沢八景になりそうな予感がするね。」
我々はこう話し、案の定金沢八景で解剖となった。
後日渡された検死の先生による検死診断書には難しい医学用語が並んでいたが、かいつまんで言えば、死因は心臓だった。

これまで病院に対する不満をよく書いてきた私だが、オッサンが運ばれた某大学病院はこれまで関わったどの病院よりも対応が悪かったように思う。
揉めていた差額ベッドの件は連絡が入ることもなければ、オッサンが亡くなった為うやむやとなった。
オッサンのような事故の果てに死亡するケースなど結構あると思うのに、死亡診断書を後日書くといった医師も不可解ならば検死の料金も知らない警察官もまた不可解。
みながみなそうではないだろうが、医師・看護師・警察官といった制服でビシッときめた固い職業とされている方々のいい加減さを垣間見て、一番親身に対応してくれたのは民間の葬儀屋さんであった。

それにしても今回の件で、人生観が変わった。
「明日生きている保障なんてないんだから」
というのが私の口癖であったが、とは言いつつも「多分明日も来るだろう」と漠然と思いながら日々を過ごしてきた。
しかし「今から帰るから」と言ったっきり帰らぬ人となったのが身近な人だとつくづく考えさせられる。
一昨年だったか、「今でしょ」という言葉が流行り、テレビ等をみていると、『今を生きる』という言葉もよく耳にするが、本当に『今』なのである。

ならば何をすべきかと考えたのだが、いつもの如く普通に過ごしている私。
今、私にとって一番大切なのは愛鳥ラニ君であり、ラニ君が私のもとに来てくれて以来、沢山あったはずの欲がなくなった。
ラニ君と一緒にいる時間が一番幸せなのだ。



さて、そのラニ君ですが、今回は4個の卵を産み、4個で終わってくれました。
抱卵中に3個は壊れ、最後に残った1個を懸命にお温め(『お』はわざとつけています)しております。

先日、私と二人きりの時は夢中で抱卵しており、いくら呼んでも一歩もケージから出て来ませんでした。
「もしや、病気ではないか。」
と心配した私でしたが、夫(ネパール人)が帰宅し、「ラニ、ラニ」と呼んだらケージから出てくるではありませんか。
そして夫がラニ君の大好物のパイナップルを与えると、夫の顔をうっとり見つめながら、喜びの首振りダンスまで披露するでありませんか。
すっかりのけ者にされた私は、いじけたのでした。

CIMG1232-1.jpg
最後の1個の卵を懸命に抱卵するラニ君
健気



CIMG1213-1.jpg
網戸に止まりながらもカメラ目線


CIMG1219.jpg
夫にうっとり


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